スポーツと体育

駒大苫小牧の暴力問題が一応の決着を見たようですが、まず優勝剥奪という事態にならなくてほっとしています。
高野連の処分も警告のみにとどまり、チームも秋季大会に向けて練習を再開したようですし、この問題は幕引きということでしょうか。
ただ、甲子園前の明徳義塾の問題と今回の駒大苫小牧の問題によって、高校野球界に暴力が蔓延しているという印象(事実?)が強くなってしまいました。
私も一時期野球をやっていて(少年野球でしたが)、その経験からいうと、指導者・先輩からの暴力は日常茶飯事でした。
特に嫌だったのは高校に行ったOBが練習に来ることでした。彼は野球名門校に進んだものの脱落してしまった人でしたが、その憂さ晴らしに練習に来る感じでしたね。
技術指導なんて何もなく、ただ「気合」の一言でしたし、ちょっとでもミスをするとバットでケツを思いっきり殴られるというもので、彼が練習に来ると一気にやる気が萎えていったことを覚えています。
しかも彼は他の指導者のいない土曜日の自主練習の時に多く出没し、やりたい放題やっていきました。それでだんだん野球が嫌いになり、中学以降は野球をやらなくなりました。

今回のニュースを聞いて自分の経験を思い出したんですが、私の経験した体育会のノリって結構こういうのが当たり前なんですよね、指導者・先輩は絶対みたいな……。
ただ私はこういうノリが大嫌いになって、中学・高校では先輩を実力行使で放逐したりしていましたがw
日本のスポーツ、特に若年層ではやっぱりこういう体育会のノリがまだ結構残ってると思うんですよ。
楽しむっていうよりは、訓練とか人間形成とかそっちの方にウエイトがあるんですよね。
からしごきとか上下関係とかが重視されてしまう。
そしてそこに順応できる人たち、つまりそこに残っていく人たちはその事に特に疑問を感じなくて、結局また同じ状況を再生産してしまって、いつまで経っても状況は変わらないんですよね。
結局まだ日本の若年層で行われているのは「スポーツ」じゃなくて、「体育」なんでしょう。
今の部活動を今後どうしていくか、地域スポーツクラブへと転換させると言葉で言うのは簡単ですが、ハード・ソフト両面から考えてもなかなか簡単にはできないでしょうし、今あるシステム自体は決して悪くはないと思います。
プロのクラブのユースチームのようにもう徹底した実力主義・少数精鋭主義が取れれば一番楽なのですが、学校の課外活動としてやっている限りそれは難しいでしょう。
今後どうしていくか、受け皿を増やすにはどうすればいいのか、難しい問題ですね…。