プロ野球

セリーグの首位決戦の裏で選手会からプロ野球構造改革案が出されました。
詳細は選手会のHPに85頁にもわたる改革案が出ていますのでそちらを参照して頂くとして、要点をまとめると、
1、アジア最高リーグとして、MLBと対等な存在になることを目指す
2、ビッグクラブ先導によるリーグの拡大化
3、交流戦の2分割・ポストシーズンの創設・試合球の統一
4、自由競争化への準備(ドラフト制度など)
5、地域密着経営の推奨
といったところですが、ここで注目されるのは2と4でしょうね。
厳格なサラリーキャップウェーバー制による戦力均衡化を行うNFL式ではなく、完全自由競争を行うサッカー式を選ぶと言うことですが、だったらドラフトの撤廃と選手の保有権を契約期間に限定しないといけないでしょう。つまり契約が切れればいつでも移籍できるようにして、FA制を廃止するわけです。
NFLのような制度は、圧倒的な存在であるリーグが一つだけ存在して成り立つ制度ですから、日本のプロ野球にそれを導入するのは現実的ではありませんでしたが、まさか選手会側からこういう意見が出てくるとは思いませんでした。
ただ自由競争制度を採用した場合には、ヨーロッパサッカーを見てみれば分かるように、優勝争いをするチームが固定化されてしまう傾向があります。
ヨーロッパのサッカーファンは、地元のチームに関しては現実的な目標で応援して、全国区のチームにもう一つ贔屓をチームを持つことが多いようですが、同じことが日本で馴染むかどうか……。
そうした風土を根付かせるためには、チーム数を増やして、各地におらがチームを増やしていく必要があるでしょう。
またドラフトの方を見てみると、ウェーバーの導入・裏金禁止のルールと監視機関の設置・ユースチームの設置などが挙げられていますが、このルールでユースチームを作ったら、ドラフトの抜け道になりそうですね。
このユースチームは22歳までの選手で構成され、3年以上在籍した選手はその球団が優先権を持つとされ、高校の時にドラフト拒否した選手は入団できないとされています。
しかし、高校の時にプロ志望届を出さずにドラフトに参加しなければユースには入れそうな気がしますし、やはりユースチームは18歳ぐらいまでが妥当な線でしょう。
とまあいくつかの問題点があるこの案ですが、オーナーサイドとどのように話し合いが進められていくのでしょうか、結局オーナー側にも都合の良い自由競争の部分だけが活用されてしまいそうな気がしてなりませんが、どうなるでしょう。